「…もう一つ聞きたいんだけど…男?」






「!!!!当たり前だ!!見て判るだろうが!!!」




「本当か?すまない、声を聞くまで判らなかった」


「何ィ!?」


「仕方無いだろ、君がそんな着物着てるから…」


「顔を見れば判るだろうが!!」


「いや、全然」


「貴様ァ!!」


「ほらほら落ち着いて。で、名前は?」




























「…ふん、変な奴…―イザーク、だ」













「イザーク…うん、”月穂”より合ってるね。」






「…益々変な奴」





「どうも。だってイザークさっきまであからさまに怯えてたから場を和ましてあげようかと」



「なッ!?お、俺が何時怯えたりなど!!!!」




「はいはい、怯えてないね。まぁ無理矢理組み敷いたりしないからさ。お酌ぐらいしてくれないか?」



ほら、と下女の用意した徳利を摘み上げる。















「…本当にシないんだな?」




「ああ。今触れたら引っ掻かれかねないし」




















「‥‥‥ありがとう…」




















外の喧騒に消え入りそうな程小さな声で紡がれた言葉。
















迷いを抱えたままで君を抱いたりしなくてよかった、と心底思う。






こんな安堵の表情など見れなかっただろう。



あの蒼い瞳が俺を拒絶しただろう。











―月と、出会った。


気高く強がりな月。










「父上、お願いが―」 君は、俺が守る 長月、大衝参拾日
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