「最近どうなさいましたの?」


「‥‥‥‥は?」


「三日と空けずに此方へいらっしゃるなんて…」


「迷惑でしたでしょうか?…すみません」


出された紅茶はまだカップに十分に残ったまま、その温度を失っていて。

暖かな室内の中、それ程の時間上の空だったのだと気付いた。
優しげな声はそれを責める様子も無い。


「ただ…お通いになられてた方は、と」


「…暫くは…行けません」


「まさか…」


「はい…父に、‥‥・・一先ずは、釘を刺されただけですが」


「それで、此処に通わなくてはならなくなったのですね…」


「…ラクス嬢には、迷惑な事と…」


「いいえ?私達戦友ですもの。それに、私は個人として貴方が好きですわ」


「…ありがとう」


俺もです、と心から返せた。



いつもの様にカタチだけの挨拶でクライン邸を辞した時には既に辺りは暗く、
まだ春は遠いことを寒さと共に痛感する。



「…イザーク…」


君に、会いたい







春になったら満開の桜の下で会って

夏には螢でも見て

秋には落ちてゆく枯葉と秋桜を手に採って

冬は椿と雪を窓の外に、温め合って―







悴んだこの手で何が掴めると云うのか













外は相変わらずの、雪

ちらちらと積もる其れをただ、部屋の中から見つめる毎日。


もうアスランの薫りなんか残っちゃいないこの部屋で
少しずつ、何かが凍り付いてゆく


噂好きな遊女たちから聞いた噂は氷柱のように冷たく、鋭利で

来ない事実がまた其れが融けることを阻んだ。






『あのクライン・ザラの両家がとうとう―』



















解って、いたことだろう?






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