―そばにいてほしい



ただ、それだけのことが 



誰かを苦しませるなんて、知らなかった



知りたくなかった



知ることさえ無かったのなら、無邪気に、願い続けることが出来たのに






ただ微笑って強請って

ただ泣いて駄々をこねて




残酷なまでに無邪気に―



好きだと

好きだと云って呉れと

自分だけを見て欲しいのだと


愛していると




叫ぶことが出来たなら。









部屋に洸々と灯る蝋燭に照らされる彼は少し痩せたように見えた。


一層儚さを増して


初めて見る衣を纏い、初めて対面した時のような雰囲気を纏って。 




「…手紙も中々出来なくてごめんね」


「‥‥‥。」




「会いたかった」


「‥‥‥」


「イザークは?」








「…何故?」


「え?」


「オレが会いたかったかどうかなんて聞いて如何する」


「イザーク?」


「何にもならない。願っても、オレは会いに行くなんて出来やしない。此処から出るなんて、な。



…只、待つだけだ」




待つだけ。

何も出来ないことを思い知らされ、耐えて、耐え切れなくて。

でも、待つしか出来ない。


そこに流れる時は無慈悲にゆっくりとしていて。



アスランに理解することは出来なかった。

が、窺い知ることは出来た。


更に申し訳無い気持ちが込み上げて、咄嗟にイザークの手を取る。





「っ、ごめ…
「言葉に夢を見てた。…優しさに縋りついて、浅ましい…夢だ」



謝罪を遮り、淡々と薄い口唇が言葉を紡ぎだす。





「何…を」


「始めから解ってたことだろう?」


「待って、言っている意味が…」

















「…もう、来るな。」












「…!?イザ、」




「別にお前が言ってくれたことに偽りがあったと思ってるわけじゃない。でも…無理、だろう?」















そう、此れは必然。


物語の様に語ってみるならば、



運命とでも言おうか?






其れは、諦めと同意義の言葉で。















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