人を好きになる資格、だとか
倖せになる権利、だとか
一緒に居ることが許されない、とか
無いんだよ、とあいつは微笑った。
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杪冬、と云うのに不思議と雪が多いと思った。
彼の人はあの窓から眺めているのだろう。
「…っくそ!」
だん、と荒々しく壁に拳を叩き付けたことにびくりとした男は恐る恐る言葉を発する。
「あ、の…アスラン様…どうか落ち着いて」
「落ち着けだと!?父上に面通りを請いて、何日経った!」
「は、」
「一週間だ!一週間待たされた挙句の返答が此れだ!」
使いの者に用件の文書をしたためて持たせよ、と。
アスランは決して家を捨てたい訳では無い。
自分に懸かる責任を少なからず理解しているから、其れはあくまで最終手段だ。
だからこそ父に面と向かって意志を伝えなければならない。
如何にイザークが自分にとって大切な人なのか
彼の身上も自分の立場も、全て理解した上で認めてもらいたい
だが、こんな形では伝わるものも伝わらない、と思う。
数日で戻ると聞いたからこそ華桜閣にも行かずに邸で待った。
イザークに早く朗報を届けてやりたかったから―
今になって思う。
あの時に自分は何かを失念していた、と。
イザークと共に生きてゆけると、そう確信し
忘れていたのだ
「父」の人為りを。
信じていたのだ
「父」との繋がりを。
話し合う気など無いなんてこと、考えもしなかった
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