「…あまり似てはおらんな」
不意に聞こえた男の声にイザークは打たれたように振り返る。
そこには。
「母親に似たのか?その女の様な顔で息子を誑かしてくれたのか」
ゾクリ、と躯全体に悪寒が走る。
冷たい、目。
汚らわしいモノを見るような侮蔑の目。
少しも似てはいない。
だが、「息子」と云われ思いつくのはただ一人だった。
「成程、美しい銀髪だ…このようなカタチでなければ情人にでもしてたかもしれんな」
冷たい視線に射抜かれ、問う声は弱々しい。
「まさか…アスラ、ンの…?」
「…顔も知らなかったのか?
…そうか、だからアスランを"使った"のか」
ち、と舌打ちをして男は一歩近付く。
「"使う"…?」
「簡単に引っかかりおって、あの馬鹿が」
「何…?」
「それにしても息子が生きていたとはな…確実に消しておくべきであったな」
「…何、の話だ…?」
「自分を貶めてまで復讐しようとするとは、見上げた根性だが、うっとおしい小虫めが」
何だ?
この男は、なにを言っている?
復讐?
何に対しての、誰が、誰に対しての―
只呆然とするイザークを、男が不審そうに見やる。
「…まさか何も知らんのか?」
「・・・・・・」
「それとも知らん振りか…どうでもいいがな。
…父君には世話になった…イザーク・ジュール」
「…ちちうえ?」
「危ない折、助けて頂いた。…感謝している」
「・・・・・・ま、さか」
返答の代わりに、男は嘲笑う。
その男の笑みで、全てを悟る。
コイツが
コイツに
コイツの所為で
父は
母は
自分 は ― !!!!
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