「イザーク、イザーク…待たせて、ごめん…」


ただ、走った。

肺からはひゅうひゅうと息が漏れ、

汗で視界が滲んでも。



紅い月の下

彼と共に生きる為に。






























「…っぐ、ぁ」


ぐぷ、と自らの口の中から粘着質な音がする。

咥内を満たす生臭さに吐き気が込み上げようと、ソレは容赦無く咽喉を突く。

身体を這い回る何人のものとも知れない手。

熱い白濁を何度体内に、躯に受けただろう。




裂けた後口から流れた血は既に乾き、今はただ何人もの欲望がその上を伝っていく。





「ひっ、う・・・・・・アス、ラ…ぁぐっ…」


意識を失うたびに襲う痛みで目を覚まされ、今が夜なのかさえも判らない。


視界が揺れている。

自分の意識が朦朧としている所為かもしれないし、

下卑た笑みを浮かべて自分の足の間に入り、揺さぶっている男の所為かもしれない。




口から引き抜かれた肉棒がまた、顔に欲望をぶちまけた時。














「そのくらいにしておけ。」









下半身からモノが引き抜かれ、支えていた腕がバラバラと離される。

白濁にまみれ、青紫の斑が彩る身体が畳に力無く崩れ落ちた。


虚ろな目で虚空を見つめながら、唾液と混ざる液体が垂れる口からは唯一人の名が零れるように呟かれ続ける。




それを変わらず冷たく見やりながら、




「…アスランが邸を抜け出したそうだ。…恐らくは此方に向かってるのであろうよ。

 お前に、会いにな」









「お前のその姿を見て、アスランは如何思うのだろうな」



「変わらず愛すると思うか?」



「その穢れた躯を抱き締めると思うか?」








ケガレタオマエガ アスランヲ シアワセニ ?










「大人しく父と母と共に逝けば良かったものを…私の邪魔をするからこうなる。
 安心しろ、アスランは皇族の親王ひめとの縁談が決まった。お前など居ない方が"倖せ"になれる」














部屋から人の気配が消え




イザークの血の気を失った頬を一筋、涙が伝った






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